3.212012
お彼岸はいかがお過ごしでしたか
3月20日は春分の日。いわゆる、春の彼岸のお中日です。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる割には、今朝も東京は冷たい風が吹いていて、
今年は例年よりも寒いような気がします。
しかし、この言葉が示すように、「お彼岸」は季節の変化を実感するものとしても、昔から人々の生活に密着した習慣だったのです。
お彼岸は仏教に由来する先祖供養のしきたりですが、実は日本特有の習慣です。
太陽が真西に沈む春と秋の両日は、日が西に沈むことで西方にある阿弥陀浄土と交わることができると信じられていました。そこで、死後の世界という意味の”向こう側の岸”という言葉である「彼岸」と名付けられたのです。
このように、私たちの祖先は、亡くなった人の霊を「祖霊」として身近に感じ、また、決められた時期に法要をし、季節ごとに供養することで、故人を思い、さらに親近感を抱き続けてきたのでしょう。
しかし最近は、葬儀の法要も簡略化され、そして「春分の日」や「秋分の日」と呼び方が変わったこともあり、彼岸の供養も忘れられてしまったようなところがあります。
・・・そういう我が家はというと、お墓は遠方なので墓参りはせずに、仏壇に手を合わせて父や祖父母を偲びました。
お墓を掃除したり、お供えをすることはできませんでしたが、今を生きる私たちの命が祖先から授けられたものであるということは忘れないようにしたいものです。