2.82011
プロトコールや洋室は「右上位」で、和室は「左上位」なのはどうしてですか?
「右上位」や「左上位」って何のことでしょうか?
これは序列を決める先に基準となるのが、中央に対して「右」が上位になるのか、反対に「左」が上位になるのか・・・ということです。
まずは、西洋の基準からみてみましょう。
国旗の掲揚などを含めて、プロトコールや洋室での基準は「右上位」となります。
西洋では、「左」より「右」が上位であるのはゆるぎないものだからです。
一例を挙げると、
・ヒンドゥー教やイスラム教では「右」は清浄な手、「左」は不浄の手である。
・「Right」という英語は、「右」という意味に加えて、「正しい」「まっすぐ」などの意味があり、「右」は正義を示している。
・上記の意味も含めて、キリスト教では、右手を上げて宣誓をする。
それに対して「左(left)」の語源は、「弱い」「価値のない」「身分の低い」など良い意味がありません。
西洋では圧倒的に「右」が「左」よりもよいイメージなのです。
しかし、どうしてそうなったのか、その根源的な理由もあるはずなのでしょうが、そこまではよくわかりません。
一方、日本に序列の概念が入ってきたのは平安時代ごろですが、その基準となったのは「天子は南面す」という思想です。
天子、すなわち帝の玉座は南に向かっておかれており、その左右に側近が座ることになります。
帝の左側は「東」で、右側が「西」となると、太陽が昇る「東」が、日が沈む「西」よりも尊重され、その結果、「左大臣」が「右大臣」よりも格上となりました。
当時の日本の儀礼は、大陸の影響を強く受けていたので、当時の中国が「左上位」だったのかもしれませんが・・・。