12.262013
ブリリアントクラブイベント 全生庵で坐禅会を開催しました
12月8日(日) ブリリアントクラブイベント「仏教を学び、禅の心に触れる」と題して、上野谷中にある禅寺「全生庵」にて、坐禅会を開催いたしました。
臨済宗国泰寺派「全生庵」は、幕末の三舟のひとりで剣・禅・書の達人として知られる山岡鉄舟が建立した寺院で、政財界の方も多く坐禅に訪れます。前日の12月7日には安倍晋三総理も坐禅に訪れていらっしゃいました。
また、12月8日という日は「成道会(じょうどうえ)」と呼ばれ、お釈迦様が悟りをひらかれた日で、「灌仏会(かんぶつえ)」「涅槃会(ねはんえ)」と並ぶ仏教三大行事の1つでもあります。そうした特別な日に由緒ある寺院で坐禅会を行うことができ、参加された皆様は大変喜ばれていらっしゃいました。
当日は、ご用意いただいた控室にお集まりいただき、坐禅の格好に着替え、素足になって全員で本堂へ移動します。そこでご住職の平井正修和尚より、坐禅のやり方をご指導いただきました。
坐禅の基本は、
・姿勢 結跏趺坐(もしくは半跏趺坐)になり、膝と臀部の3点で体を支え、背筋を伸ばす 胡座は背中が曲がるので不適当
・呼吸 吸うことよりも吐くことに意識を集中する 坐禅中は呼吸を数えることで集中を高める
・心 体は本堂にあっても、心がいろいろなところに移ってしまうのが人間 心身一如(心と身体が一体になった状態)をめざす
の3つであり、これらについてご住職はユーモアを交えながら初心者ばかりの私達に分かりやすく指導してくださいました。
やり方を習った後は、早速実践で坐禅を組みます。臨済宗では、壁を背にして坐します。坐禅に先立ち全員で般若心経を唱え、それから20分間の坐禅を2回行いました。坐禅と言えば、「棒で叩かれる」というイメージを持たれる方も多いかと思います。あの棒は「警策(けいさく)」と呼ばれ、ご住職曰く「私が勝手に叩くことはありませんが、坐禅中、集中できなくなったときなど、私が前に通りかかっときに合掌をすれば、”頑張れよ”という意味で肩を左右4回ずつ叩きます」とのことでした。(実際に叩いていただきましたが、心地よく、気が引き締まるものです)
個人的な感想ですが、坐禅中、心を空にする状態を作るのは難しく、どうでもいいことが次々と浮かんできます、ご住職に教わったとおりそれらを捨てようとするのですが、消えることはありません。呼吸を1から10まで数えたら、また1に戻って数えるように、と言われていてもいつの間にか11、12、13…とボーッと数えている自分に気づきます。
坐禅を終了し、全員控室に戻られてから、全生庵をご紹介くださいました川上和久理事のお話、明石伸子理事長の挨拶で終了いたしました。坐禅の感想を伺うと、皆様、1回目より2回目のほうが楽に感じられたようです。上達の証でしょうか?
全生庵の平井正修住職が書かれた本が12月12日、来年1月9日と相次いで発売されますのでご紹介いたします。ご興味のある方はぜひご覧ください。ご住職が坐禅の後、「20分何もせず坐っていたのはいつ以来でしょうか?」と参加者に語っていらっしゃいましたが、こうした「禅」の本が次々と出版されるのも、情報洪水に溺れた現代人が心を空にする時間を求めていることの現れと言えるかもしれません。