【ブリリアントクラブ】安岡定子先生の講演会を行いました

初夏のような陽気に恵まれた3月4日(日)協会セミナールームにて、漢学者安岡正篤氏のご令孫で教育者の安岡定子先生を講師にお招きし、2018年2回目のブリリアントクラブイベント『現代社会に活かす論語の精神』と題した講演会を開催いたしました。

昨今論語が静かなブームになっていて、書店などでも特集が組まれ、孔子の言葉が見直されています。どうして今、論語なのでしょうか。

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孔子は2500年前の春秋時代に生まれ、不遇の時代が長かった苦労人でした。
戦乱の世にあって、「文明が発達したからといっていい国になるとは限らない。人を育てないと世の中が良くならない」と自分自身でも学問を修めながら、同時に志を持つ人材の教育に力を注ぎました。

「論語」には現代でもよく耳にする章句がいくつもありますが、その中から”温故知新”の四字熟語で知られる「故きを温ねて新しきを知れば、以って師と為るべし」を冒頭にご解説いただきました。これは「まず過去に目を向けてみると、そこから新しく見えてくるものがある。」との意です。

講座の中では先生が選んで下さった7つの章句を全員で素読しました。素読とは意味の解釈を付け加えることなく、書いてある文字を大きく、はっきりとした声で読み上げることですが、受講生の皆様と声を揃え、お腹の底からしっかりと声を出すことで清々しい気持ちになり、内容がより頭に入ってくる気がいたしました。

安岡先生はそれらの章句から、人は常に前を向いて歩んでいるが、後ろを振り返る余裕を持つことの大切さや、さらに現在のステージを上げる為には、より高い位置にある「志(こころざし)」を持つこと、さらには学問だけではなく人間力や美しい立ち居振る舞いを身に着けることの重要性について言及され、また年齢や経験を経るほど謙虚な気持ちを持つことの大切さを教えていただきました。

「論語」は古典ではありますが、人としてのあり方を示しているので、その本質は昔も今も変わっていないことに気づかされます。そこに、どの時代にも通じる知恵や、学びがたくさんあるので、時のふるいにかけられても現代に受け継がれているのでしょう。
ご参加いただいた皆様にも、それぞれ心に響く孔子の章句を見つけていただけたのではないでしょうか。

講演終了後には、安岡先生のご著書のサイン会を行いました。
心に残る数々の言葉を教えて下さった安岡先生に心より感謝するとともに、ご参加くださった皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

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