7.32020
実践ブラッシュアップ講座「話し方上級」を実施しました
新型コロナウィルスの感染拡大により、今年春に予定されていた実践ブラッシュアップセミナーは軒並み開催中止となっていましたが、緊急事態宣言、東京アラートの解除を受け、徹底した感染防止策の中で、6月14日「話し方 上級」講座が行われました。
講師は当協会理事で、日テレ学院学院長を務められた石川牧子先生です。
受講生はマスク着用、石川先生はマスクにフェイスシールド姿、ソーシャルディスタンスをキープするため受講者数も通常の半分に限定というイレギュラーづくし。
通常、話し方講座では、声を大きくしっかり出していくのですが、今回は現状を鑑み、大きな声を出すのではなく、「口元の筋トレ」をより意識して講座が進められました。口元が引き締まっていなければ、頬が下がり、老けた印象につながります。口元の筋肉を鍛える発声・話し方ができるかどうかはとても重要なのだそうです。
冒頭で、石川先生は「話し方 上級」講座の要点を2つ説明してくださいました。
まず1つは、場慣れをすること。そして2つ目は、効果的に思いを伝えること、つまり「発信」です。話し方を上達させたいのであれば、日々この2つを意識して、機会あるごとに実践を積んでほしいとおっしゃいます。
さらに、講師がもう一つ強調されていたのは「話し方は後天的に変えられる!」ということ。声や話し方は持って生まれた不変のものではなく、日々の学習や努力によって、いかようにも変えられます。いわば後天的に身につけることのできる「教養」でもあり、その人の第一印象を大きく変えることができるのだとお話されていました。
・実践!腹式呼吸
印象を変える話し方の基本、その1は腹式呼吸。受講生みんなで正しい腹式呼吸を練習しました。働く女性には呼吸の浅い方が多いといわれます。息が浅いと、話し方も慌ただしく、落ち着きがない印象に。声も小さく細くなってしまいます。逆に息が深いと落ち着きと自信を感じさせます。腹式呼吸は、横隔膜を上げ下げし、内臓を鍛え、細胞の活性化にもつながるということなので、いつまでも若々しくあるために、口元の筋トレと共に日々の習慣として取り入れたいですね。
・日本語の基本アイウエオ
母音のアイウエオをはっきり、きっちりと発音すると、日本語がとてもきれいに聞こえるそうです。そして、歯切れよく母音を発音するためにこそ、今日の講座の本題「口元の筋トレ」が欠かせません。石川先生のアドバイスに従い、再び受講生みんなで発声練習。
「言葉を粒立てる」意識で声を出すと良いそうです。口元の筋肉が整えば、たとえ崩して話したとしても、ちゃんと相手に言葉が届くようになる。「今、何て言ったの?」とよく聞き返される方はぜひ「母音の筋トレ」を試してみてはいかがでしょう。
講座では、他にも鼻濁音や母音の無声化について教えて頂きました。これらをマスターすることで、日本語がより美しく話せるようになるというのですから、発音・発声練習にも熱が入ります。
・良いしゃべりとは
良いしゃべりとは、その人の思いが正しく伝わること。聞き手の印象に残ること。つまり、自己満足のおしゃべりではなく、聞き手が主役になる話し方をすることが大切です。講座の中では、自身の話し方の特徴を知るために、受講生一人ひとりの朗読が行われました。
石川先生はそれぞれに丁寧にコメントされ、表現力を増すためのテクニックを伝授してくださいます。自分のクセに対する改善点が明確になるだけでなく、他の受講生がアドバイスされている内容を共有することからもヒントが得られ、大変勉強になりました。
・思いを伝えるスピーチ
講座の締めくくりは、受講生のスピーチタイム。この日提示されたテーマは「新型コロナに感じること」。一人3分以内で内容を纏め発表します。スピーチの様子はビデオに撮影、振り返りながら講師から“思いを確実に聞き手に伝えるため”の細やかな助言がありました。
それぞれの視点で、ご自身の考えを伝えるスピーチはどれも印象深いものばかり。石川先生も「お世辞なしに、本当に水準が高いと思います。自信を持ってくださいね。」と感心していらっしゃいました。
今回は、「話し方 上級」でしたが、秋に予定されている「話し方 基礎」はより“発声”にポイントを置いた基本講座となります。
声の強さをまずは身につけ、魅力的で印象に残る話し方が自然とできるようになるために、ぜひ「話し方 基礎」講座にもご参加ください。
事務局 竹内
本講座の紹介映像をYoutubeでご覧いただけます。