着席時は右手が上、左手が上?

先のご質問の第2段は・・・組んだ時の手は右、左、どちらが上かということでした。

この学校では、3年以前に私が監修をした「私たちのエチケット」

(全国高等学校長協会家庭部会編、教育図書出版)という教科書をお使いいただいているとのことでした。

また、日毎のご指導の中で悩まれることが多いという一文には、大変、共感いたしました。

 

Q:マナーの指導は難しいと痛感しています 

 マナーの指導は、自分自身を正していかなくてはならないことも多く、形から入ってしまうと、自分自身も窮屈になるのではないでしょうか。

 要は、よい人間関係を築くために必要な”心”を育むことと、それを上手に相手に伝える”スキル”を身につけさせることが、車の両輪のように必要ではないかと考えます。その結果として、人の気持ちがわかる”きちんとして人”に育つのではないでしょう。

 

 また、気持ちの表し方も、その時の状況によって変わるので、生徒の方に教えていただきたいのは、そうした所作や振る舞いをすることの”本質”は何か、なぜそのようにするか、などの理由がわかることが大切だと思います。

 マニュアル世代と言われますが、人の気持ちを慮ることができるようになれば、どのように対応するのが良いかも自ずと分かってくるのではないでしょうか。

 

Q:着席時の手の組み方で、先生の中でも「右」「左」と意見が分かれて・・・・

 着席時の手の組み方ですが、こちらもどちらでも良いのですが、「左手が上」は、かつて刀を持っていた時に、刀を抜くことがないことを示すために(戦う意志がないことを示す)、左手を上にした武家の作法が理由と聞きます。

 一方、「右手が上」は、日本人のほどんどは右利きなので、何かをする時は右手が先に出ます。したがって右手を上にしておく方が自然であるという理由からです。

 

 このような理由がわかると、結論としては「どちらでも良いのでは(笑)」と理解できるのではないでしょうか。

 先生のメールにあるように、指先にまで意識をしてキレイにきちんと揃えられていることが大切で、「左手を上に」と強制的に号令をかけても、生徒の方々になぜ左手が上なのかを伝えてあげないと、”言われたようにしかしない””理由を考えない”ような人になってしまうようにも思います。

 また、指先をキチンと揃えれば、自然と姿勢もよくなるものです(その逆も真なりですが・・・)。 

 今の若い方は、自分がマナーを知らないという自覚があり、その自信のなさが、どのように対応してよいか分からないという悪循環を招いているようです。マナーを学んだことが、人付き合いをする上で自信につながるようになってくれると、コミュニケーション能力も向上するのではないでしょうか

 

 

 

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