3月2日ANA訓練センターにて、客室乗務員にサービス・接遇を指導されるインストラクターの皆様を対象とした「プロトコール」研修を行いました。講師は、当協会理事で元外務省儀典企画官の寺西千代子先生です。当日は、訓練指導でご多忙の中、30名近いインストラクターの皆様が受講され、講師の話に熱心に耳を傾けてくださいました。

講座は、プロトコールについての概論、現在に至るまでの変遷から始まりました。プロトコールは”不変のもの”というイメージがあるかもしれませんが、実際には、アメリカでは大統領が替われば序列もガラッと変わりますし、ドレスコードについても、女性は昼間のデイドレスか夜のディナードレスしか区別がなくなっていて、ひざ丈のドレスも普通になっているなど、時代によって変化しているそうです。

続いて、席次や呼称、国旗、国歌、などプロトコール上押さえておかなければならない知識を整理しました。数多くのスライドを使用し、実際の晩餐会、首脳会談、サミットの様子などを例にあげて解説することで、スムーズにご理解いただけたのではないかと思います。

また、”サービスのプロ”を育てるインストラクターの皆様を対象とした講座なので、通常の講座ではお話していない「世界に通用する接遇」という項目を加え、講師の経験から、接遇で気をつけてほしい点と期待したい点などをお伝えいたしました。「外国人のＶＩＰだからといって極端にへりくだる必要はないですよ」という講師の言葉に、受講者の皆様は少しほっとした表情を浮かべていらっしゃいました。

講座終了後は、最新のB787モックアップや脱出訓練用のプール等々、訓練センターの施設をご案内してくださり、私達もANAのおもてなしの心と、空の安全を守るを厳しい訓練を体感することができました。この研修がANAのさらなるサービスクオリティの向上のお役に立つことを願っております。